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便秘の種類と原因と対策

2024年7月04日

便秘の種類

①機能性便秘
 もっとも多いタイプの便秘が機能性便秘です。
生活習慣やストレス、加齢などの影響を受けて大腸や直腸,肛門の働きが乱れる結果、便秘が引き起こされます。

→弛緩性便秘(=大腸の運動の低下)
腸管の緊張が緩んでしまい、ぜん動運動が十分行われないため大腸内に便が長くとどまり、水分が過剰に吸収されて硬くなるタイプ。
便秘の中でも頻度が高く、女性や高齢者に多いです。
お腹が張る,残便感,食欲低下,肩こり,肌荒れ,イライラなどの症状も見られます。
運動不足,水分不足,食物繊維不足,腹筋力の低下,極端なダイエットなど生活習慣の乱れが誘因になることも。

→けいれん性便秘(=大腸の過緊張)
副交感神経の過度な興奮によって腸管が緊張しすぎてしまい便が上手く運ばれずに、ウサギのフンのようなコロコロとした便になるタイプ。
食後に下腹部痛,残便痛などの症状があることもあります。
また、便秘と下痢を交互に繰り返すことも多いです。
精神的ストレス,環境の変化,過敏性腸症候群(IBS)などが誘因になります。

→直腸性便秘(=直腸に便が停滞)
運ばれてきた便が大腸から直腸に入ると直腸のセンサーが働き便意を催しますが、便が直腸に達しても排便反射が起こらず、直腸に便が停滞してうまく排便できなくなるタイプ
高齢者や寝たきりの人の他、痔や恥ずかしさなどにより排便を我慢する習慣がある人に多いです。

②器質性便秘
腸管の物理的(器質的)なものや状態により便の通過障害が起こる便秘症。
大腸がん、腹部手術後の腸管の癒着、炎症性腸疾患などの原因があります。
また、女性で直腸の一部が膣に入り込んでしまう直腸瘤もよくある原因です。
このタイプの便秘では、まず元の病気を治すことが基本です。

③症候性便秘
全身疾患に伴うホルモン分泌異常や神経系の異常により、腸管のぜん動運動が弱くなり、便秘がちになります。
全身疾患としては糖尿病,甲状腺疾患,脳血管障害,パーキンソン病,自律神経疾患,膠原病などがあります。

④薬剤性便秘
各種の薬による副作用で起こる便秘症。
抗うつ薬,抗コリン薬(喘息や前立腺肥大,パーキンソン病などの薬),咳止めなどは大腸のぜん動運動を抑えるので、副作用で便秘になることがあります。 

便秘の対策


①運動・マッサージ
多くの場合、便秘は運動不足から起こります。
特に体力や筋力が低下したことが原因で起こるのは「弛緩性便秘」。
このタイプの便秘の人は日常的に運動する習慣を取り入れるだけで症状を改善しやすくなります。


②食べ物
便秘の対策で大事なのは食べ物です。
特に日頃から便秘になりやすい人はまず食生活を見直すことが大切です。

→食物繊維と水分を十分摂る。
食物繊維は腸のぜん動運動を活発にし、便を排出しやすくしてくれます。
穀物,いも類,豆類,ひじき,寒天,果物など食物繊維を豊富に含む食品をしっかり摂りましょう。
また、水分の摂取量が少ないと便が硬くなり排出しにくくなります。
こまめに水分を取ることを意識しましょう。
特に朝、水や白湯などをコップ一杯飲む習慣をつけると腸が目覚め、ぜん動運動が活発になります。

→腸内環境を整える食品を摂る。
排便は腸内環境のバロメーターです。
腸内環境が整っていると便の状態も良くなるので、日頃から腸内環境を良くする食べ物を意識して摂るようにしましょう。
例えば、乳酸菌やビフィズス菌を含むヨーグルトや納豆などの発酵食品、ビフィズス菌などの善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖は腸内環境を整え、便秘を改善してくれる効果が期待できます。

→極端なダイエットはNG,バランスの取れた食事を。
ダイエットのために極端に食事量を減らすと、食物繊維や水分も不足してしまい、便がカチカチに硬くなり出にくくなります。
さらにダイエットのために油の摂取を控えると便の滑りが悪くなってますます出にくくなることも。
便秘になるとニキビや吹き出物などのトラブルが発生しやすくなります。
かえって美容と健康に害を及ぼすこともあるので極端なダイエットは避けて、バランスの取れた食生活を意識しましょう。

→食事のリズムを整える。
朝・昼・晩の3食をきちんと摂って、内臓の働くリズムを整えることも便秘改善に重要です。
特に、朝食を抜いてしまうと胃腸の働きが鈍くなり便秘を引き起こしやすくなります。
毎日同じ時間に食事を摂るようにして。体内のリズムを一定に保ちましょう。


③ストレスを溜めない
強いストレスのある環境は便秘になる原因のひとつです。
例えば引越しや転職などで大きく住環境などに変化があった際、便秘になる方が多くいます。
ストレスがかかると腸の働きが弱くなることがあり、これによって便の押し出すぜん動運動が弱くなってしまうことがあります。

いかがでしたでしょうか?

 便秘を解消するためには大腸について詳しく知ることが大切です。
大腸は体の臓器の中でも重要な役割を担っていて、おなかだけではなく全身の健康状態に深く関わっていると言われています。
腸内環境を整えることで便秘や下痢などのおなかの不調を起こしにくくなります。
便秘解消のカギとなる大腸の状態を整えるため、食事の見直しや運動など、できることからはじめてみましょう。
現在、薬を飲んでいたり消化器内科にかかっていたり、症状が中々改善されない方、ツボを用いた鍼灸治療を行うことで、症状の改善も見込まれますのでお悩みの方はご相談ください。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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